「まったく、人間観察（リハビリ）も一苦労だよ」
"After all, even human observation gives me a hard time."
　自分は情報屋である。
He himself is an information broker.
そんな事を嘯く、一人の男がいた。
A man, boasting about it.
ただ、本当に『情報屋』と呼ぶべき生業をしているのかどうかはさておき、
Whether his occupation is really called "information brokering" or not,
彼が数多の情報を手にする力を持っている事だけは確かである。
he indeed holds lots of information in his hand.
　彼は決して正義の味方などではなく、さりとて悪の手先というわけでもない。
???
自分がないのではない。
???
ただ、彼は平等なだけだった。
He was just impartial.
己の欲望に、果てしなく素直なだけだった。
He is endlessly meek when it comes to his own desires.
『人間』。そんな単語のすべてにくるまれた有象無象の玉石達を、彼はひたすらに愛し続ける。
"Humans." He is determined to keep loving every single person that falls into this huge group.
　彼はただ、人を愛しているだけなのだ。
However, he can only love humans itself.
たとえその結果、愛する人間を壊す事になったとしても。
Even if it results in breaking that human.
情報屋は、壊れてしまった人間も平等に愛でる事ができるのだから──。
It's because, this information broker will impartially love these broken humans as well...