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「原画をやっていた人たちが一番楽しめた作品かもしれない」
キャラクターデザイン 総作画監督
小島崇史 インタビュー
 
飛び交うアイディアで
2つの世界を構築
 
——まず本作に参加することになった経緯から教えてください。
 
小島:2年前の12月くらいに知り合いの知り合いからキャラコンペの話が来まして「とりあえず描いてみます」と言って受けたところ、後日「決まったよ」という連絡がありました。コンペでは、パピカとココナのざっくりとした設定があってもちろん今のものとは全然違うんですけど,それを参考にして描きました。
 
——ではそのときのデザインは現在のものとは違うわけですね?
 
小島:全然違いますね。そのときはパピカがショートヘアで、ココナがロングでした。コンペが終わって、翌年の2月くらいから実作業に入って、最初の3か月くらいはメインキャラばかり描いてました。原作や元になる絵が無いので、試行錯誤に費やされたという感じです。半年後くらいにようやく作画インしたと思います。
 
——作業に入った段階では、作品の大まかな内容は決まっていたのですか?
 
小島:パピカとココナに関しては、固まるまでにかなり段階を踏んでいます。ヤャカやサユリ双子あたりはわりと早く決まったんですけど、メインの2人は結構かかりましたね。僕の中で「大人しい子と元気な子」というイメージが先行していて、「パピカをボーイッシュに、ココナをおしとやか系にしようかな」と思っていたんですよ。それであるとき監督から「あえて逆にしてみたら?」と言われて今の感じに収まりました。
 
——tanuさんが携わっているコンセプトアートについて教えてください。
 
小島:キャラに関しては、主に衣装関連ですね。デザインを決める段階で、僕と監督とtanuさんとでアイディアを出し合っていますが、パピカとココナの変身衣装には、かなりtanuさんのデザイン性が表に出ています。やっぱり女性ならではのイメージというものがあって僕の中からは、なかなかこういう感じは出てこない。
 
——ピュアイリュージョンのイメージもtanuさんが手がけられているそうですが、そこに登場するゲストキャラはどのようにしてデザインされたのですか?
 
小島:これは僕と押山さんですね。ただtanuさんもイメージボードの段階でふわっとしたキャラを描いていただいているので、それをもとに固めていく作業を僕と監督がやった感じです。作業手順としては3人の中で順番があるわけではなく、早い人から」ですね。最初に誰かがラフをあげたら、それに乗っかるという流れです。一番手が早いのは監督で、バンバンイメージを出してくれました。
 
——メインキャラのデザインに関しても監督のアドバイスはありましたか?
 
小島:ありましたね。たとえばこのトトのズボン。「限界まで短くして」とか(笑)。CLAMPっぽい美少年が好きみたいで最初はハーフパンツくらいだったのがどんどん短くしてギリギリまで来たという感じです。あとソルトは「イメージが太宰治なので、太宰治をイケメンにして」と言われました(笑)。一番やりとりが多かったのは、やっぱり主役の2人ですね。パビカは「あまり野生児になりすぎないように」と指示を受けました。自由奔放なイメージが強いと思うのですが、そこを強調しすぎるとかわいさが無くなってしまうので気をつけて描くように言われましたね。僕は、もともとそんなに美少女キャラを描いてきたわけではなくて、どうしても少年マンガっぽくなってしまうんですよ。だからかわいらしさについては、
かなり監督から指導を受けました。
 
——最近は、キャラクターに特徴的なパーツをつける作品も多いですが、本作は意匠も色もかなりシンプルですよね。
 
小島:そのあたりは動かしやすさを考えてのことです。凝ったデザインにして配色を増やしても、描いている間に動かしづらくなって、最終的に汚いものになってしまうことがあるので最低限のライ\と言うと語弊がありますが、「コレくらいのディティールなら、派手に動かしても画面映えするだろう」というバランスをとりました。そのあたりは監督もアニメーターなので、動かしたときのイメージを強く意識されているんでしょうね。アニメは集団作業ですから、「僕らが描けても、ほかの人たちが描けないと意味がない」ということは、何度となく言っていただきましたね。
 
——ピュアイリュージョンの世界がカラフルなので、それとの対比という意味合いもあるのでしょうか?
 
小島:それはあるかもしれないですね。あの独特の背景に、さらにごちゃごちゃしたデザインのキャラが乗っかると大変なことになると思うので。監督はそのあたりも配慮されたのかもしれません。
 
——本作は、セリフによる説明がほとんど無い一方、隠喩やオマージュなど映像の情報量は豊富で、物語の構造を理解するのも大変だと思うのですが、小島さんとしてはどうですか?
 
小島:おっしゃるとおりです(笑)。僕もわからないことが多くて、そのたびに監督に説明してもらいました。第1話の騙し絵も何個か気づいてなくて,ネットで指摘されているのを見て監督にうかがったら、「今頃気づいたの?」と言われたりしました(笑)。冒頭の砂時計も元ネタがあるって知りませんでしたし。
 
——そのあたりのビジュアルは監督のアイディアですか?
 
小島:そうですね。絵コンテにきめ細やかに書かれていたので、それを忠実に作画に起こしたという感じです。監督はいろいろ知識が豊富なんですが、僕はあまり知らないので(笑)。キャラクター的なことでいえば、ブーちゃんとユクスキュルは監督が描いたものです。
 
初めて携わるゼロからの作業
生み出されたキャラたち
 
——キャラクターデザインも総作画監督も初めてとのことですが、作業を通して苦労したことなどはありますか?
 
小島:単純な苦労といえば、主役2人の作画なんですけど(笑)。作画監督自体が初めてで、これまで他人の絵を直したことが無かったので、すべてが大変だったし、難しかったですね。アクションシーンについては、こういう不可思議な世界の話なので、何をやっても大丈夫なぶん楽しいんですけど、それは原画だけをやってる場合ですよね(笑)。他人の絵を直すのって、元の絵を生かすことも考えないといけないから、かなり神経を使うんですよ。もっと作監の経験を積んでからキャラクターデザインの仕事をしていれば今よりうまくできたのかもしれないなあと。自分がキャラクターデザインをした作品なので、どうせなら原画をたくさんりたかったな合、原画をやっている人が一番楽しかったんじゃないかな。そのぶん、自分ひとりで描ける版権イラストは楽しくやらせていただきました。あと改めて思ったのは「キャラを1から考えるのって大変だな」ということですね。ゼロを1にする難しさといいますか。
 
——キャラクターデザインや作画する際の引き出しは何から得ていますか?
 
小島:ヤヤカと、それとヒダカも自分の好きなものを描いた感じですね。あとはこれまで見た映画やアニメ、マンガの影響でしょうか。ヤヤカのワイヤーは『必殺仕事亼のイメージが強い気がします。アニメやマンガに関してはガチで好きってほどではなくてジャンプ系のマンガ、とくに『幽遊白書』が好きでした。少年マンガがメインで、いわゆる美少女モノはあまり見てこなくて。でも『けいおん!』は見ましたね、話題になっていたので(笑)。キャラを動かすことが好きなので、本作でもアクションは楽しんでやっています。やっぱりアニメは動いてなんぼだと思っていますので。まぁ楽しいのは時間のあるうちなんですけど(笑)。
 
——一番お気に入りのキャラクターは誰ですか?
 
小島:それはもう断然ヤヤカです。たぶんヤンキーっぽい子が好きなんでしょうね(笑)。好きなキャラというのもありますが、デザインですぐにOKが出たんですよ。直感的に描いたものが認められた。一番気持ちよく描けたという意味で気に入ってますね。あとは描いていて似せやすい。逆に一番難しいのがココナとパピカで、描くたびにどうしても同じ顔にならないんです。ほかの作画スタッフさんも、この2人に関してはだいぶ苦労してます。たとえばパピカは「あっけらかんとしているけど,そうなりすぎないように」という表情づけのラインも難しい。あとこれはほかのキャラにもいえることですが、目が大きいと顔のバランスが取りづらいんですよね。また、パピカはどうしても話数が進むと髪の毛が全体的にハネていく傾向があって、そうすると野生感が強くなってかわいくなくなるんですよ。髪のラインについては、設定画のほうが派手めな感じで、アニメではこんなに広がっていないと思います。あと第7話に登場した偽パピカは、先に監督がふわっとしたものを描いてくれたと思います。あれもヤンキーのデザインが一番気に入っていて、描いてて楽しかったんですけど、出番が少なかった(笑)。
 
——パピカとココナが変身後、片方の脚が黒くなっているのはなぜですが?
 
小島:確か「体と衣裳が一体化している感じを出したいから、肌と衣裳が溶けこんでいる部分をワンポイントでつけて」と言われてこうなったと思います。「どこかにグラデーションを入れてみよう両脚ではなく片方の脚に入れてみましょう」という感じでしたね。
 
——では最後に、最終話を心待ちにしている視聴者の方々にひと言お願いします。
 
小島:第8話くらいまではパロディ作品と思われていた方も多いと思いますが(笑)、主軸となる話があり、そこで触れられていた謎も後半にいくにつれ解明されています。そのあたりをお楽しみいただきつつ、最後まで見ていただければと思います。できたらBlu-rayも買ってください(笑)。
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